どうも、Carlです。

先日、 メッセージ(2016)を見ました。
見終わった後、余韻に使っていると気づいたら手に30分後の次の回のチケットがありましたw
それくらい良かったです。
今年ベスト出ました。


話がなかなか複雑なのと、 ネタバレなしではこの興奮をフルで語れないのでネタバレありで僕なりの解釈を解説したいと思います!
英語で見た上に、手元にスクリプトがないのでうろ覚えのセリフを意訳するため多少の間違いはご了承ください。
そしてプロの翻訳者じゃないので、大体意味は同じでも本当にかなり意訳です。

ネタバレなしの感想は こちらから。


SPOILER ALERT!!
ネタバレ注意!!

cp8v8n0vmaadzn6-jpg-large

感想を交えながらポイントをおさらい
"始まり"と"終わり"を信じてた。でも記憶とは奇妙なもの。私たちは時間に囚われてる。その"流れ"に。
そしてこれが"終わり"。でも今はもう始まりと終わりを信じていないの。あなたの人生を超えた域にある日があるわ。彼らが到着した日のように…」
まず最初に観客はルイス・バンクス(エイミー・アダムス)のボイスオーバーと共に彼女が赤ちゃんを抱いたり、小さい女の子と戯れるシーンが流れます。そして彼女が病でなくなるシーンも。
この女の子、劇中何度もフラッシュバックで現れますが、終盤にこの子はまだ生まれていないバンクス教授の娘だと知ります。
(いきなり一番大きいネタバレですねw)

そして物語は12体の"シェル"と呼ばれる宇宙船の到着とともに始まります。
(12という数字はこの映画のキーワードである"時間"を表す"時計"の表示数と同じですね)
そこにアメリカの軍がバンクス教授に宇宙人"ヘプタポッド"の音声解析を依頼しにきます。
モンタナに向かうヘリコプターの中で物理学者のドネリー(ジェレミー・レナー)に会います。

「"言葉とは文明の基礎である。人々をまとめ、争いを終わらせることができる強力な武器だ。"」
ドネリーはバンクスの本を読み上げます。

ここで初めてシェルの姿が出てきます。あの堂々とそびえ立つ謎の物体を時間をかけてズームしていく手法はヴィルニーヴ監督お得意の緊張感を作り出す取り方ですね。
シェルの中に入っていくシーンはとてもスローで画もシンプルなのに美しくて興奮しました。
(こういうの大好物)

ヘプタポッド、アボットとコステロ(40、50年代に活躍したコメディ俳優から命名)とのご対面です。すげえタコみたいw墨も吐くし。
初回は彼らが姿を現して終わりですね。何の成果もなかったのでしょう。
二回目にバンクスはホワイトボードを持っていって文字でコミュニケーションを図ろうとします。
彼女は"HUMAN(人類)"と書き、自分を指差します。
するとヘトラポッドはサークル型の文字を宙に描きます。
初の一歩前進です。

しかしこの頃からバンクスは頭痛と娘のフラッシュバックに悩まされ始めます。

ドネリーによると、シェルの物質や構造は全くの謎で、彼らの言語には人間の言葉と違ってこの時間内にこれだけ喋れるみたいなものは無い、つまり"時間の流れに囚われない"といいます。
(あれ⁇どっかで聞き覚えが…)
さらに、右から読むとか左から読むとかも無いみたいです

その頃、他の11カ国が不審な動きを見せていました。
理由はすぐにわかります。ヘプタポッドの目的は"武器の提供"だったのです。
もし本当に武器が提供されるのなら地球外のテクノロジーだしとても強力に決まってる…そんなものを他国には教えられない!!各国はこう考え、情報共有を止めます。
まるで冷戦の繰り返しですね…

それと時を同じくして、未知の生命体を恐れるあまり攻撃を煽る意見に賛同した何人かの兵士たちがシェルの中に爆弾を設置します。
人間は自分達の理解できないものを異常に怖がる性質がありますからね。分からなくもないです。
今回が謎の生命体だっただけで、歴史の中で人類は言葉の通じない他国と幾多とない戦争を繰り返してきました。

そんなことなど知らずにバンクスとドネリーはシェルの中に戻って本当に彼らの言っていることが武器の提供なのか確かめに行きます。
コステロがとてつもない数のヘプタポッド語をばら撒いて姿を消し、案の定爆発に巻き込まれそうになった二人をアボットが救います。

バンクスが娘の夢を見てる間にドネリーが何かを見つけますが、ここは専門的なことを英語で言っていてちょっとよくわかりませでしたw(何が1/12なのか)

まあそれを軍に報告に行きますが、もう時間がないと一蹴されます。中国がシェルに攻撃を始めるというのです。
そして他の数カ国もそれに便乗。何が起こるかわからないのでこの基地からも非難です。

するとバンクスは何かに導かれるように外へ出て一人でシェルの中へと入っていきます。
中にはさっきまであったガラスの衝立はなく、コステロ
と面会します(アボットは死にかけてるらしい)。

バンクスはまた女の子のビジョンを見ます。
「この子は一体誰なの⁇」
バンクスの言葉に僕は目を見開きましたね。驚きで。
そこで彼(?)に「ルイスは未来が見える」と告げられます。
まさかの展開に僕大興奮。

地上に戻ってきたバンクスは8ヶ月後の未来、中国の首相と会話している未来を見ます。
「あなたのおかげで私は考えを変えた。あなたは私に電話し、妻の遺言を思い出させてくれた。」
バンクスはその言葉を必死に思い出し(?)ながら中佐の携帯を奪って中国語で首相に電話をかけます。

中国は突然攻撃を中止し、地球からすべてのシェルが去っていきます。
バンクスは未来のビジョンから娘の父親はドネリーだと知ります。
「もし一つの人生を初始めから終わりまで知っていたとしたらそれを変えようとする⁇」
バンクスはドネリーに尋ねます。
「どうだろうな、もっと自分の気持ちを伝えるかもな。そして覚えられる限り今回の出来事の話をするだろうな。彼らのことじゃない、君のことだよ。」
バンクスのボイスオーバー「そしてこれが始まり。」
そして
「なんなーななななななーななななー…
      ななななーななななー…
        うぉたっ  うぉたっ…」

ヨハン・ヨハンソンの曲"カンガルー"が流れてエンドロールへ。

ハックソー・リッジ(2016)を見終わった時みたいに拍手したかったですけど、圧倒されて頭が回らなかったです。










僕なりの解釈
さてさて、ここまで見終わって、どんでん返しはあったもののエイリアンものSFを求めて入場してきた人たちは 少しがっかりしたのではないでしょうか。
ほとんど宇宙人とおしゃべりするだけだし、特に目立つことしないし、結局目的だって「3000年後に人類に助けてもらいたいから今ちょっとプレゼントで借りを作っておくよ!」ていうものだったし。

でも言わせてください、 それでいいのです。
なぜならこの映画、エイリアンものではなく 人類の物語
彼らはただの脇役でしかないのです。

この映画のテーマは二つ "コミュニケーション""思い出"です。





コミュニケーション
まあこれは明快ですよね。映画の主軸が「宇宙人とコミュニケーションをとる」ですから。
でもどちらかというと、 人間同士のコミュニケーションだと思います。

このストーリーを通じて「コミュニケーションが取れないとこんなにも分かり合えない」ということを重々承知したことかと思います。でもそれは 人間間でも同じこと。
日本人がアメリカ人にいきなり英語で話しかけられてもなんとなく言っていることがわかって100%ではありませんよね。
今回も言葉の違う国々と最初は一丸となってヘプタボット語を解読しようとするも結局は音信が途絶え、国ごとに孤立しますね。

ドネリーが「君は『もし本当に新しい言語を受け入れたら、脳を作り変えることもできる。話す言語によってその人の考え方だけでなく全てをも変えかねる』と言ったね⁇」とバンクスに尋ねているこのセリフ、 その通りだと思います! 前々から思ってたんですけど、僕は英語を喋る時と日本語を喋る時性格が違うんですよ! で、ググってみたらそういう人結構いるみたいで。これ聞いた時にハッとなりました。
違う言語を喋っているせいか国ごとに多少認識のずれがあったりして"人類"として1つになれないのです。
(そしてヘプタポッド語を話せるようになったバンクスはそれが持つ力である未来予知を得ることができたのです)

劇中、中国の攻撃に便乗したロシアが自国の翻訳者を殺しましたがその時彼女がヘプタポッドとの最後のセッションの翻訳がありましたね「もう時間がない。たくさんが1つになる」ロシアのヘプタポッドの最後の言葉です。
このたくさんは "言語"を表し、やがて地球で1つの共通言語を話し始めるという意味。

バンクスのビジョンで彼女が自作の本を受け取る未来のシーンがありますたがタイトルは "Universal Language(共通言語)"
その後、彼女がヘプタポッド語を教えてる未来のシーンがあることからヘプタポッド語が共通言語になることがわかります。

そしてヘプタポッド語は "力"を持っていますね。
バンクスによると、ちゃんと学べば時間を超越できる、と。バンクスが未来予知できるように。

つまり、 ヘプタポッドたちから提供される武器とは"言葉"だったのです。バンクスが言葉を武器と考えているのと同じです。

そしてバンクスの考えが正しいのなら、言語は争いを終わらせること力があるので世界に平和が訪れることでしょう。


旧約聖書にバベルの塔という話がありますね。
人々が天にまで届くほど高い塔を作ったことで神が怒り、彼らの言語をバラバラにしたと。
この話で神は「人々は1つの言葉をしゃべっているからお互いに理解できてこんなことを始めたのだ。バラバラにしちゃえー!」と思ったらしいです。
つまり人々がまた1つの言語をしゃべり始めたらバベルの塔を作れるほど強力なパワーを得るということです。

そして劇中にもバンクスが娘に言葉を教えるシーンがありましたが、 よくよく考えたら子供も言葉の通じないエイリアンみたいなものですよね??
親が子供に強力な武器である言葉を教える姿は、劇中エイリアンが発展が劣る人類に言葉を教えた姿に重なります。
これは規模のでかい子育ての話ともいえるでしょう。







思い出
もう一つは思い出です。
最初のボイスオーバーでも 「思い出とは奇妙なもの」と言っていましたね。
この映画が言いたいことは "思い出は時を超える"です。
考えてみてください。何かを思い出す時、その出来事を起こった順序通りに思い出しますか??中学生の時のことを思い出すのに幼稚園、小学生の時のことを思い出してからって順序を追わないですよね??この映画の中でもバンクスの未来フラッシュバックは赤ちゃんの時から順番に、とはなっていません。
最初のシーンでバンクスの娘が生まれてから死ぬシーンが流れたから勝手にあの出来事は過去に起こったことなんだと解釈しませんでしたか??
つまりバンクスの言うように 「私たちは時間の流れに囚われている」のです。

そして、中国の首相が妻の死に際を"思い出して"心変わりしたように思い出は奇妙な力を持っているようですね。

最後のバンクスの決断(何が起こるのか知っていながら変えようとしない)というのは、 ハンナ(娘)が例え亡くなってしまおうともそれまで過ごした期間、一緒に作った思い出に意味があると知ったからです。最後には失ってしまう悲しさよりも一緒に過ごした時間の方が大きいからです。
(死んでしまった時に悲しいから、という理由でペットを飼わない人たちに伝えたい…!)
(去年死んでしまったウチの猫のことを思い出して泣きそうです)

最後に、彼女が娘に名付けた"ハンナ"という名前は英語で"Hannnah"と書き、後ろからでも読める回文となっています。
ヘプタポッド語と同じであり、「あなたの人生に始まりや終わりはない。いつまでも私の中で繰り返されるのよ。」という意味なんでしょうね。
(最初のボイスオーバーシーンでバンクスが歩いている病院らしきところの円形の廊下は、ハンナに「帰ってきて」と言っていたように彼女に会うため、記憶をまた再生したのでしょうね。そして"始まりの日である"エイリアン到着時に遡った。
ずっと引っかかってたんですよ、ボイスオーバーが過去形なことに。 つまりこの映画の"現在"とはバンクスがハンナを失った後であり、ただ思い出を遡っているだけなんじゃないかと思います。












いかがでしたでしょうか。少し長くなっちゃいましたねw
僕が二回の鑑賞で理解したのはここまでです。
あくまで僕の考察なんでもしかしたら違う意味かもしれませんし、違う考察があってもいいと思います。むしろ聞きたいです。

この記事を読んで少しでも僕の大好きなこの映画の理解が深まればな、と思います!

では。

メッセージ (オリジナルカード付) [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
エイミー・アダムス
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2018-07-04


あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)
テッド・チャン
早川書房
2003-09-30


P.S.
ちなみに
英語で"touchdown"とはアメフトでの得点を意味する他に"着陸する"という意味もあります。 (聞き取れて不思議に思った人用にw)

ちなみにちなみに
調べてみたところ、バンクスが中国の首相に言った言葉は 「戦争で勝者は生まれず、未亡人だけを生む。」という意味らしいです。
ヴィルヌーヴ監督はここに字幕をつけるか悩んだらしいです。そして あえて付けないことに決めた。
中国語なんてシェイシェイしか知らない僕はあんなクライマックスで何言っているかわからないなんて不安になりましたよ。それが この映画のテーマであり監督の狙いだったのです。