どうも、Carlです。

僕は将来映画製作に関わる仕事に就けるよう、カナダの某大学で映画学を学んでいます。
僕の詳しい経歴はこちら
 
そこで今回は自分自身学んだことの復習も兼ねて皆さんに製作の視点から映画を知ってもらおうと基本を紹介することにしました!


ぶっちゃけ製作側は時間もお金もあるわけですから世に出ている映画は全て完璧状態なのです。
「あ〜ここ微妙だけどこれでいっか!」なんて妥協することは滅多にありません。監督の欲しい画が撮れるまでやり直しです。
(スタンリーキューブリックやデイビッドフィンチャーは1つのシーンを納得いくまで50回ほど取り直すそうです…恐ろしい)

なので
bank-robbery-the-dark-knight

「ダークナイト(2008)」より
 このようにシーンがなっているのなら、
なぜこのアングルなのか
なぜこの光の当て方なのか
なぜ背景この色なのか
なぜこのコスチュームの色なのか
なぜこの位置にカメラを設置したのか
なぜカメラはこの動きをするのか
全て計算済みで意味があるのです!

それを読み取ってこそ、その映画を真に理解していると言えるのではないのでしょうか!


まずはこの単語を知ってもらいたいと思います。
"Cinematography"
発音は”しねまとぐらふぃー”とでも書きましょうか。
日本語ではカメラワークというのが一般的かな??
主に
・ショットサイズ/ショットタイプ
・カメラの動き
・アングル
など、スクリーンにどう映るか決める役割ですね。
(ちなみに日本語で言う撮影監督/カメラマンは英語でCinematographerまたはDirector of Photography略してDoPと言います)


Shot Size/Type
ショットサイズ/タイプ

まず「ショットサイズ/ショットタイプってなんだ!?」と思っている人が多いのではないでしょうか。


ショットサイズとは簡単に言えばカメラをどの位置に設置して、スクリーンの中に対象をどれくらい大きく写すかです。
ちょっと分かり難いと思うので例を出しますね。
18 PM

59 PM

映画The Dark Knight(2008)より 
上と下ではジョーカーさんの見えてる範囲が違いますね。

上はクロースアップ(ショット)と呼ばれるタイプで下がミディアム(ショット)と呼ばれるタイプです。

これも監督クリストファーノーランが「はい、ここはクロースアップでここはミディアムね」とわざわざ決めているのです。

 全部説明していたら長くなってしまうので今回は基本の3つのショットタイプを紹介していきます。

クロースアッップ(ショット)
34 AM

対象キャラクターの鎖骨下辺りから頭部にかけて
表情や顔周辺の詳細を見せる
主に重要な会話をしていたり、キャラクターの意識が集中している時に使われます。
例えばこのバットマンは、ジョーカーの話を聞きいっています。しかも顔がはっきり映るので観客は表情でどんなことを考えているかわかります。

ミディアムショット
45 PM

別名ウエストショット
対象キャラクターの腰あたりから頭部にかけて
キャラクターの動きや身振りと少し場所の情報を見せる
会話などは基本このショットですね。特にコメディはこれが多い。
例えばこのジョーカーはグラスを掴んでワインを飲んでいます。これがクロースアップだったらグラスは見えにくくなり何をしているのかわかりにくいです。ここでミディアムショットが使われているのは監督が「ジョーカーがワインを飲んでいる動作を見せよう」と判断したからです。

ロングショット
33 PM

別名ワイドショット
対象キャラクターの体全体を見せる
場所やキャラクターの情報を伝えるのに便利だが、顔やディテールは見にくい
シーンの最初はこのショットを使うのが一般的ですね。会話の始めなどにこのショットで場所や立ち位置を観客にインプットするとか。
例えば銀行強盗のシーンでは銃を撃ったり少しアクションがあるのでこの銀行の構図を観客に把握させることが重要になります。ですので最初に銀行強盗が入ってくるシーンをロングショットにしてインテリアがどういう配置なのか、どこ誰がいるのかを見せます。
もしこれが全てクロースアップだったら「誰」や「表情」はわかってもどこで何がどうなっているのか見てる方には全くわからないでしょう。
監督はこのシーンで表情よりもアクションを見せる方が重要だと判断したのです。

ちなみにシーンの始めにロングショット(一般的に)で「どこ」を見せるショットのことを「エスタブリッシュショット(Establishing Shot)」と言います(日本語でなんていうか分かんねーw)



いかがでしたでしょうか。
ここでは基本3つを紹介しましたが、他にも
エクストリーム・クロースアップ
extreme-close-up


エクストリーム・ロングショット
DarkKnight1 copy

などありますが、劇中に数回使われるか使われないかなので大丈夫でしょう。


偉大な映画の作り手は妥協しません。全てに意味があるのです。
カメラワークはストーリーに合わせて雰囲気を作り上げたり、いわゆる観客の目ですのでとても重要な要素の1つです。

次から映画を見る時に少し注意を払ってみると見え方が変わってくるかもしれませんね。

では。

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クリスチャン・ベール
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2016-02-24




P.S.
僕のお勧めは、好きな映画をミュートで音を消して見ることをお勧めします。
カメラワークや編集に注目できます。音があるとどうしても話に入り込んじゃって解析どころじゃないですもんねw