どうも、Carlです。

もう第89回アカデミー賞がもう目前に迫ってきてますね!
作品賞にノミネートされた9つ全ての映画を拝見しましたがどれも強豪ぞろいです。

レビュー済みのネタバレなし感想8つ↓
ハックソーリッジメッセージマンチェスターバイザシーララランドムーンライトHidden Figures(原題)LION/ライオン 〜25年目のただいま〜フェンス
特にララランドは作品賞を含め 13部門14ノミネートというタイタニック(1997)イヴのすべて(1950)に並び歴代最大ノミネートという偉業です。

なんたって僕はセッション(2014)の大ファン!
日本で話題になる前から目をつけ、誰も聞いてやいないのに1人で語ってたものです。
映画の作り方も例外的だし、何よりも彼のジャズに対する熱が半端なくて映画を通して子供みたいな無邪気な愛が伝わってきました。
しかも、あれが彼の長編一作目という事で二作品目である 今回は彼の力量を測る本当のチャンスでした。
(一発屋で終わる監督も沢山いますし)

さらに、トロント国際映画祭では観客賞を受賞したり批評家も絶賛だったり期待値はどんどん上がって行きました。
(なるべく聞かないようにしてても目に入ってくるほど…)
予告も見ず、町山さんの紹介すら聞かないようにして 完全に情報をシャットダウンしてた僕ですが、iTunesでサウンドトラックが出た時はさすがに買いそうになりましたよ…
(よく我慢出来ました!)
(今や通常盤に加えてコンプリート版まで買ってます)

その甲斐あってかとても好きな映画になりました。

数多くのインタビュー動画から得た裏話とともにネタバレなしには書けなかった細かい部分をバンバン書いていきたいです!
(ネタバレなしはこちら)


SPOILER ALERT
ネタバレ注意



ラ・ラ・ランド(2016)
La La Land
ラ・ラ・ランド コレクターズ・エディション(2枚組) [Blu-ray]
ライアン・ゴズリング
ポニーキャニオン
2017-08-02






去年の暮れにこの映画に恋に落ちました。
ミアのオーディションシーンで、そしてラスト15分で涙が頬をつたいました。
奇妙なのが悲しいとか嬉しいなんて感情ではなく、シンプルに "美しい"。それが理由です。

今年に入ってもちろん初映画はララランドをキメました。
家にいてもインタビュー動画を見たり少しでもあの夢の世界につかろうとしています笑

裏話も織り交ぜながらあらすじに沿って感想を書きなぐりたいと思います。
(これは長くなりそうだ…)




①オープニングシーン
LAの空に大きくCinemaScopeとでてきてオープニングです。
シネマスコープとは1950年代に生まれたワイドスクリーンで撮影できるレンズ(アナモフィック)の名前です。アスペクト比2.55:1の超横長の画面です。
(この辺の細かいヒストリーはまた映画製作の記事で細かく書いていきたいです)
デイミアンチャゼル監督はこの映画を撮影するためにあえて横に広い一昔前のレンズを使用していますね。
インタビューではその理由を「 LAの街をエピックに大きく撮りたかった」と語っています。
さらに、色を鮮明に捕らえるため 35mmのフィルムカメラでの撮影でした。

バーっとカメラが降りてくると高速道路で渋滞した車がクラクションを鳴らしながら止まっています。
ここでいきなり一つ目のナンバーが流れます、 Another Day of Sunです。
歌詞は要約すると "田舎から夢を追いかけてこの町にやってきた"という感じです。
まさにLAという町、そしてこの映画の紹介です。
この曲の間いろんな人が出てきていろんな特技を披露しますね。それだけたくさんの夢追い人が住んでいるということです。

さあこの曲の何が素晴らしいか、(もちろん曲自体も何ですが)始まりから終わりまで 1テイクで取られているように見えることです!
僕も初めて見た時開始間もないのにこの映画の恐ろしさが伝わってきましたが、そうです実はこのシーンは 3つのショットが編集で組み合わさって1つに見せているのです。
それでも5分程もある曲を動き回りながら、さらに音楽のリズムに合わせて動かした撮影は極めて難しいでしょうw
チャゼル監督はインタビューで「 2日間あの高速を貸し切って撮影したんだけどその年で一番暑い日だったよ」とコメントしています。

実はこの曲、 もともとは存在しなかったナンバーなのです。
インタビューによると、もともとは渋滞にハマった人たち(ミアとセブも含めて)を映しながらスローなジャズが流れる予定だったらしいです。
しかし、エマストーンの提案でこの曲を開始直後に入れることに。
よって、15分間 Someone In The Crowdまでミュージカルがなかったオープニングは、始まりからいきなり人が歌って踊ることでこの映画のトーンを観客に伝えるとともに、ミュージカル映画だから苦手な人はこの間に去ってもいいぜって猶予を設けることができたのです(チャゼル監督の言葉)。

そして、曲が終わるとともにタイトルLA LA LANDの文字が現れます。
英語でララランドとはロサンゼルスの別名であるとともに "非現実的な、夢のような世界"という意味もあります。
まさにこれ以上ないくらいぴったりなタイトルです!




②ミアとセバスチャン
タイトルの直後に渋滞の中一瞬だけ出会います。
(お互い印象最悪ですけどw)
ミアはしがないカフェでバイトしながらオーディションを受けて女優を目指す女の子です。
それにしても最初のオーディション、ひどくないですか?
実はあれ、 ライアンゴズリングの実体験を元にしているのです。
(ゴズ兄ほどの俳優にあんな態度取るなんて見る目ないプロデューサーだったんだなw)

オーディションが終わりイライラしながらエレベーターに向かうシーン、そこにオーディションを受けに来ている人たちはみんな赤毛に白い服です。
それだけではありません、カフェで働いてる人、セブのお姉ちゃんまでみんな赤毛です。
LAにはミアと同じように女優を志す人が溢れかえっているという意味でしょう。
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そして、 Someone In The Crowdが流れます。
どうでもいいですが始まる直前のルームメイトとの会話が僕は好きですw
特にバスルームを開けて入ってくる人の「Wow, holy shit」が笑
(曲の最中にエマストーンの変顔も見れますしねwヘアドライアーのとことか)

パーティの後、ミアが歩きながら帰っているとレストランからピアノが聴こえてきます。
そこでセブに合うのですが、そのレストランの外の壁にはたくさんの人の絵が描かれています。
セブはまさに Someone In The Crowd(群衆の中の誰か)だったわけです。
(ちなみに僕はこの、演奏を聴いているミアの顔にズームしながらクラクションがだんだん聞こえてきて場面が変わるってトランジションがお気に入りです。ここでセブの顔を見せないのがまたツボ!)
06 PM

ということで渋滞の中の出会いに戻ってきたわけですが、ここでセブがどうしようもないジャズ好きということが判明。
(いちいち言動と行動が面白すぎるセバスチャンw)
ここでレストランのオーナー、 J.K.シモンズが登場です!
チョイ役なのに存在感抜群ですねw(セブを呼ぶときの指クイッが好きです笑)
セブはクリスマスソングを引き続けますが、どうせ誰も聞いていまいと思い勝手な曲を弾き始めます。
(この時の曲が変わる瞬間がたまらないですよね!"ひいらぎかざろう"を引いている時はセブの 右側からの撮影だったのに対し、カメラが移動しながら曲が変わった瞬間にセブをまたいで左側に移行するカメラワークも彼のスイッチがカチッと入れ替わったのを示してて巧いです)
セブも弾きながらどんどん熱が入っていきます。
実は僕、この時「さすがにゴズもガチでは引いていないだろう」と思い手のクロースアップを待っていたのですが 皆無!
ゴズ兄は 1日4時間ピアノのレッスンを3ヶ月続けプロ顔負けの腕前を披露したのです!
(弱点なしのバケモンかこの男…)
ちなみにこの曲は Mia & Sebastian's Themeと言う名前でいわばテーマ曲です。
チャゼル監督と大学時代からの親友で前作セッションに引き続き作曲家を担当するジャスティン・ハーーウィッツはこのテーマ曲のメロディ案を 1900個程考え、ちゃゼル監督にNOと言われ続けたらしいです。

前髪〜前髪〜

曲が終わると客も何だコイツとばかりに凝視、J.K.シモンズにもクビにされます。
感動したミアちゃんは声をかけに行きます。
「あ、この二人、初対面は最悪だったけどやっとここで出会うのねってえええーー!」
セブがまさかの肩バンッてやって無視ですwこれにはミアちゃんも笑っちゃいます。




③春
時は流れ、春。
ミアはルームメイトに連れられてあるパーティにいます。2016年なのになぜかDJではなく Take On Meを歌うバンド。そこにはキーボードを弾くセバスチャンの姿がwミアはすかさずI Ranをリクエストして報復に出ます。セブがミアに気づくと、お得意の変顔で「ザマーミロ!」
超笑えるシーンでお気に入りです!(あれ、お気に入りのシーンばっかだな)

パーティもお開きで変な男に捕まっていたミアはセブに助けを求めますね。名前も知らないので「ジョージマイケル!」と。
(ララランドを見た2日後に彼は天国へと飛び立ってしまって二回目からは笑えませんでした…)
そしてついにこのシーンです。 丘の上でのデュエット!
あの綺麗な夕焼け、なんとCGではありません。マジックアワーと言われる小細工一切なしの正真正銘実在する景色なのです!
しかしこのマジック、アワー (1時間)とは名ばかりで30分しか現れないそうです。
このデュエット曲 A Lovely NIghtとその前の丘を上がってくるときの会話を合わせて約6分をこの限られた時間に何度も何度も撮り直したそうです。
歌が終わるとみんな急いで元のポジションへと走って戻ったらしいですw

ゴズ兄はインタビューで「 このシーンの撮影の時に水用タンクが通ったんだけどすごく美しくて。水用タンクをこんなに美しくできるのなら大丈夫だと思った」と言っています。
また、チャゼル監督は「 撮影の合間にセバスチャンのダンスをカメラクルーにいたゴツい男の人が刺激されて踊って他のを見た時上手くいくと確信したね」と語っています。

とにかくこの曲は良すぎですね!!!!
二人とも歌い方も歌詞もお茶目ですしポスターのポーズもタップダンスも最高です。
("Really?" "What's your call?" "It's wool" "Is that so?" "That's right"などセリフが入ってくるのもまた良いです)
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このデュエットで何かを感じた二人は後日カフェで再会を果たす。
そこでの「They worship everything and value nothing(全てを崇拝するものの何も敬わない)」というセブのセリフがありますがこれはゴズ自身の元カノの言葉だと明かしています。
セブはミアに自分で芝居を書いてみたらどうかと勧める。インタビューで若い俳優の卵たちへのアドバイスとしてゴズ自身「 オーディションを受けまくるというのも一つの手だが、今の時代チャンスが来るのを待たなくてもいい。自主映画を作ったり、ただ待ってないで自分でチャンスを作ることが大事」と同じようなことを語っていました。
(そして隣にいたエマが「まさにララランドね」と言い、ゴズは「"なら僕の仕事は終わりだ"」とセバスチャンのセリフを言っていましたwプライベートでも面白くて仲良い子の二人!!)
「私ジャズ嫌いなの」からジャズバーのシーンは最高ですw
バーで熱くジャズを語るセブにはチャゼル監督が乗り移ってましたね笑
(オタクもここまで行くと清々しくてかっこいい)

 デートの約束をした彼らですがミアは彼氏と一緒に食事に行ってしまいます。まあそのディナーでもグレッグはミアのことなんてほったらかしです。
するとどこからともなくテーマ曲が…
もちろん本当に流れているわけではなくミアが自分の恋心に気づいたという表現ですが 素敵すぎる!
この時もピアノ弾いてるセブの時と同じように、カメラはミアの向かいに座っている男の 左側から右側に移動して心変わりを見せています。

映画館でお互いを見つけるも無言で目線を交わす二人。持論ですが 目を見つめるってすごくロマンチックですよね。この映画見てるとチャゼル監督も同じ考えなのではないかと思ったりします。
キス直前まで行きますが、フィルムが燃えてしまいます。そこで二人は 理由なき反抗(1955)の舞台であるグリフィス展望台へと向かいます。
テーマソングが流れ、ハンカチが浮き、二人が浮き、ダンスする。 ロマンチックで美しくて"恋愛"というものを画にしたらこうなんだろうなと思います。
音楽といいトランジションといいまるでここで映画が終わるような感じで画面が真っ黒になりますがまだまだ続きますよw
もしこの映画が手放しで夢の話ならここで終わりです。量産型ハリウッド恋愛映画のように二人がくっついたらめでたしめでたしと映画は終わってしまうでしょう。
しかし、何せこの映画のいいところは 「夢を見よう」なんて言っといて現実も見せるところです。バランスのとれたこの混じり合いが不思議な雰囲気を作り出しているのです。キスしたところで、現実のように、お話もまだ終わっていません。




④夏&秋
軽快なジャズに乗せて二人のいちゃつきのモンタージュが流れます。随分ロスの街を楽しんでいますが、なんと撮影場所は全部で 約70カ所
(いつかすべてのロケーションを回ってみたいものです)
そしてここでセッションの あのカメラワークの登場です!ピアノを演奏するセブ→踊るミア→ピアノ→ミア→ピアノ→ミア。これがチャゼル印のようなものですね笑
(こんなへんてこりんなダンスを完璧にこなすのもエマストーンしかいなさそうですw)

前髪〜前髪〜

ここでジョン・レジェンド(キース)の登場です。キーボード演奏者を探しているようで。
そんな中セブは「金銭面で不安」というミアと母親の会話を聞いてしまいます。確かに実際天井のシミを消すことさえもできない夢を語るだけのプー太郎ですしw
ということで仕事を受けに行きます。が、キースのやろうとしている音楽はセブの目指しているものとは違います。
「過去にすがりついていたらどうやって革命を起こすんだ?ジャズとは未来だ!」うーん、なかなか言う通りです。
さすがのセブも言い返せません。

City of Starsのデュエットバージョンを歌いながらモンタージュで着々と夢の準備を進めているミアと自身の夢からだんだん離れていくセブのすれ違いを描きます。
ザ・メッセンジャーズのバンドが Start The Fireを演奏しますが、そのポップさにミアは少し困惑。ここでのエマの演技には感服しました。自然な表情の細かい動きだけで的確に何を考えているのか伝わってきます。

メッセンジャーズが思いの外人気になってしまいあまり会えなかった二人は久しぶりに話した途端喧嘩してしまいます。
ミアは「これがあなたのやりたかったことなの?」と問い詰めます。
対してセブはどこか 夢を諦めてミアと一緒にいることを優先した感じがあります。
この会話の時の二人の演技は本当に素晴らしいです。
相変わらずエマの表情には感情が浮き上がっていながらも自然さがあります。ゴズは「これが俺の夢だ」と言ってるにも関わらず 全く目を合わせようとしません
ミアは出て行ってしまい、ついに彼女の劇の当日。セブはといえば予定重なって気まずいのもあってすっぽかしてしてしまいました。
しかし、「何か弾いてみて」と言われて出てくるのはあのテーマ曲。
この曲はまさに二人の 運命の曲。現実に押しつぶされて二人が道を外しそうになる時は夢の世界へと連れて行ってくれます。

一方ミアの劇は大失敗。客足も少なく、セブが到着した頃には彼女の心は折れて実家に帰ってしまいます。
ミュージカルシーンもそうなのですが、このシーンミアがコールバックのオーディションでうまくいかなかった時二人が喧嘩した時など感情的になっている時はカメラにムーブメントがあります。しかも歌って踊ってる時とは違って少し揺れもあります。
ただのスタイリッシュなカメラワークではなく、こういう負の感情もお届けしているあたり現実をちゃんと描いていますね。

そして、なんやかんやあってあのオーディションシーン!w
「Here's to the ones who dream
Foolish as they may seem
Here's to the heart that aches
Here's to the mass we make」
冷たい川に飛び込んで風邪を引きながらも"何度でもできるわ"と言う叔母さんのように、この歌詞のように、 どんなに心が割れようがどんなに障害が生まれようが何度でも何度でも狂ったように挑戦し続ける、それが夢追い人
夢を掴み取るまでオーディションなんて数えられないくらい受けて、できるだけコネを探して
落ち込んだ時もまた次の日頑張る。
Another Day of SunSomeone In The Crowdも、この映画の曲は全て夢を追う者を歌っています。

セリフから始まり、明かりが消えてだんだん声にも力が入ってくる 演出が憎すぎる!!!
もうここで涙ポロリですね。理由なんてわかりません。 ただただ美しくて。
思えば今まで落ちてきたオーディションには途中邪魔が入ったり面接官に緊張したり全く"自分"というものが出せていなかったミア。
しかし、 Someone In The Crowdの前や曲中の鏡を見て歌うシーンではあたりは暗くなり、完全に自分の世界に入りきれていました。(セブもテーマ曲を弾く時は暗い中、彼にだけスポットライトが当たっていました)
もしかしたらこのオーディション中も誰か入ってきたのかもしれません。もしかしたら面接官に「もういいよ」って止められていたかもしれません。 でも今の彼女は周りなど関係なく自分を出し切っています。
これが今までと違うところであり、評価されたのでしょう。

オーディション後、二人は別れることにします。
「これに受かった時、「受かったら」受かった時、君の全てを注がないとダメだ」
セブがいつかそうだったようによそ見してる暇なんてない。 夢一筋に全力で
「ここ、昼間に来たことなかった」
夢追い人の二人が出会ってから、 二人が一緒にいるシーンはいつもロマンチックでカラフルでした。しかし、この時二人の"夢"は終わったのです。この質素で厳しい現実と向き合わなければならない時が来たのです。ラ・ラ・ランドから退園です。ミアの衣装も、非現実的に随分と派手だった最初と比べて今は落ち着いて質素に普通になっています。
「(この景色)至って普通だね」「もっと綺麗なの見たことあるわ」丘の上のデュエットの時にも口にしたこのセリフ、皮肉を込めていて要は「綺麗だなあ」と言ってますねw質素で厳しい現実だけれでもそれはそれで美しい、なんて意味なんですかねえ。




⑤エンディング
5年後、かつてカフェで大物女優がやっていたことをして人々に見つめられるミアの姿があります。
なんと彼女には旦那さんも子供もいます。
(毎回ここで他の客の驚きの声が漏れますw 僕としてはこの展開はツボツボなので「よっしゃ!」って感じでしたけど
セブは夢を果たし、バーを買い取りますが、ここは 唯一僕が気に入らないところです。
この後、Seb'sにミアは現れることになりますが、その時に 初めてセブの5年後を見せて欲しかったです!買取のシーンも料理してるシーンも入らなかったと思います。
その方がSeb'sの看板をミアと観客が見るときのインパクトがでかくなってたはず。

とにかく、ミアはひょんなことから知らないで Seb'sに来店。
(ちゃんとお姉ちゃんが座ってた椅子も飾ってありますw)
ちゃんとミアのアイデアを入れて名前を変えて夢であるジャズバーを開いてますね。この時僕は思いました。「あれ?キースの言っていたことガン無視かよ」しかし、名前をChickin On The Stickにするのにセブがこだわっていたのは過去のジャズの偉人たちにこだわっていたからです。(ヴァン・ビークにも同じ理由でこだわっていました)しかし、ここはヴァン・ビークでもないし(多分)名前も変えています。キースの助言「ジャズとは未来だ!」通り、 過去にこだわるのはやめました。ちゃんと成長したんですよ彼も。
ツイッターで「ミアは結婚して子供を産んだけど、セブはずっとミアを思い続けてた」という考察がありましたが、僕は違うと思います。
セブがミアを思い続けていたのは間違い無いでしょうけど"待って"はいなかったと思います。ミアは今や大スター。ポスターや看板でも顔を見るくらいなので何かしらで結婚のニュースくらい聞いてると思います。
あと、セブがミアとヨリを戻すつもりだったのなら隣に座っている旦那さんをちらっと見てしまうと思います。
それに彼女が女優になる夢を追っていったように彼もまた自分の夢に向かってひたすら頑張っていたはずです。
別れの時に前に進んだのはミアだけでは無いはずです。
ミアはミアで、連絡も取っていないセブとヨリを戻すのは現実的では無いと判断して前へ進んだのだと思います。
しかし、叶わなかった恋こそ特別になるもの。二人ともヨリを戻そうとはしないものの心の中では愛しているのでしょう。

ミアに気づいたセブは「Seb'sへようこそ」とだけ言い、ピアノに向かいます。
二人のテーマ曲を引きながら あたりは暗くなり、世界はセブとミアだけに。
気づくとミアが初めてセブを見た瞬間にいます。
肩ドンで無視だったあの時とは違い、 曲が再び始まると同時に二人はキス!カメラもぐるぐる回ってドラマチックに!僕、鳥肌ゾワアアア!涙ポロオオオ!
(僕は予告編を見ずに情報をシャットアウトした状態で初見に臨んだので、後で予告編を確認したらこのシーン思いっきり映ってるんですね…よかった見なくて。このシーンが来るのがわかった状態だとこんなに感動できなかったと思います)
客がノリノリでスナップしたかと思えばあの鬼のフレッチャーまでそのテンポに合わせてるではありませんか!(違う)(彼の名前は確かジョン)
ここからは過去の繰り返しですが 全てうまくいった形です。
映画のセットもシルエットのオーディションもおもちゃ飛行機が地球儀回るのもパリの川も星の中のダンスも全て全て全て本当に 美しくて楽しくてロマンチックで。
でも同時に悲しくて。
なぜならこれは二人が最後に見た なのです。

 ;全てが完璧に思えた夢の中で、セブは彼自身の夢を叶えていません
店を持ちたいという夢を諦めてジャズピアニストとしてパリへと彼女について行っています。
所詮彼らは夢追い人。二人とも夢を叶えて二人で幸せになるなんてムシが良すぎるんです。
追記へ)
二人が出会ったのは 運命。しかしお互いの夢をサポートするための、その信念が曲がりそうになった時はまた戻してあげるための出会い。

曲が終わり、夢も覚めます。
二人は見つめ合い、無言で微笑む。
これだああああああああああああああ!僕が求めていたものまさにそのもの!!いやそれ以上でした!!!
このハッピーなバッドエンドがたまらないいい!!




⑥デイミアンチャゼル

さてこんなバケモン映画を作ったのは2017年2月現在 32歳のデイミアンチャゼル監督です。
彼はもともとプロドラマーを目指していたのですが、夢破れて映画製作に路線変更。
(だからこんなに夢を追う人たちの映画が作れるんですね)
作曲家のジャスティンハーウィッツとは ハーバード大学で同じバンドに所属していた友達です。
(ひえええ大学名が末恐ろしい)
ちなみにチャゼル監督はそこで映画制作を学びました。

彼は2014年にセッションでデビューし一気に時の人となりましたが、実はもともと作りたかった映画はこっち。
ジャスティンと2010年から話し合い、かれこれ 7年も制作に徹してきました。
というのも、大学時代にチャゼル監督は シェルブールの雨傘(1964)ロシュフォールの恋人たち(1967)にハマり、刺激されてジャスティンに勧めたところ彼も影響されたそうで。

チャゼル監督はインタビューでこう語っています:
「ミューシカルとは感情を表現するものだ。キャラクターが踊りだしてしまうくらい幸せを感じている、と。そしてそれはいつの時代も変わらない」
確かに見ているこっちも、キャラクターが「幸せ」ってただ言うより幸せすぎて歌っちゃって踊ってるとこを見る方が幸せが伝わってきますね。
よく「ミュージカルは突然歌い出すのが非現実的で許せない」という意見を聞きますが、それは作り手が "現実味"よりも"伝えること"を優先させたからなのかもしれません。
(特にこの映画では非現実的なものを描いているので好都合ですね)
監督は「 映画や音楽とは抽象的なものであって言葉で伝えるシンプルなものではない」「ミュージカルは夢やファンタジーを使って現実に意見する。映画は観客に恋に落ちたり失恋などの体験をさせられる分、ただ現実を見せるよりもいい
だからビジュアルや音楽、カメラワークに力入れてたんですね。雰囲気を作るために。
映画が唯一無二なのは音響と映像が交わってるだからですよね。"見せる"だけだと写真でいいし、"聞く"だけならラジオでもいい。よもや"伝える"だけなら活字ではっきり描いてある本のほうがいい。
その全てを融合させた映画にだからこそ"体験"させることができるのです。

 この映画、初期段階でのキャスティングはセッションのマイルズ・テラーとハリーポッターのエマ・ワトソンだったのは有名な話です。
しかし、二人がオファーを断り、今の二人に話が回ってきました。
クソ野郎役ばかり演じてきたマイルズテラーとウィンガーディアムレビオーサのエマワトソンが演じるエマとセバスチャンも見てみたかったですが、その場合ここまでヒットに繋がらなかったのでは、と思います。(二人ともいい役者ですよ!)
ただゴズとエマ(石)の方がこの映画の雰囲気に合ってる気がします。
なんでもこの二人に声をかけたのも、監督曰く" 今最もハリウッドで本物みたいなカップルを演じれる二人"だからだそうで。
しかし、初期段階、まだ何軒も映画会社に企画を売りつけている頃(何回も断られたそうで)に「実はライアンゴズリングとエマストーンを考えています」と言ったら 「頑張れよ(笑)」と言われたそうです。(この後監督は「彼らがこの映画見てるといいね」と言っていましたw)

ゴズがインタビューでこう語っていました:
監督とは映画の話の前に一回お会いしていて、いかに"ケータイの小さな画面で見るのではなく、映画館に観に行きたくなるような映画"を作りたいか話していたよ。そんな志を持つ人がいて嬉しく思いながら応援していたら後日、脚本とテーマ曲が送られてきて、以来夢中になってしまったね
今やNetflixやブルーレイといくらでも映画館の外で映画を見ることは可能な時代です。(嫌な客もいませんし便利だし安いし)
しかし、僕は断然映画館の方が好きですね。
さっきのチャゼル監督の言葉じゃないですけど、やっぱり映画を見ている時間って現実逃避っていうか映画の世界に入り込んで体験することができるんですよ。
それを最大限に活かしてくれるのがやっぱり映画館の設備かなあって思います。

ところで、何度もオーディション落ちするミアを演じるエマは「諦めようとしたことはありますか?」と聞かれて「 デビュー当時5年間はオーディション受けまくりだったけど、実は今でも3ヶ月ごとに辞めたくなるわ笑 そういう時は泣きながら母に電話するの。それで『辞めるの?』って聞かれて泣きながら『まだ辞めない』っていうわ。一番最悪なのはオーディションすら受けられないことですものね」と、なんとも可愛らしいエピソードを語っていました。

この映画の製作はリハーサル3カ月、撮影2カ月、編集1年ととても長い月日がかかりました。
ゴズはピアノの練習に加えてエマとダンスの練習をみっちり。違う部屋には作曲するジャスティン、ギターを練習するジョンレジェンドを含め大勢のクルーが準備を同時進行で行っていたそうです。
本編をご覧になればわかりますが、この映画ほとんどCGを使っていません、使う場面なんて山ほどあるにもかかわらず。
その裏にはチャゼル監督の" 本物を偽物のように作る"というこだわりがありました。
マジックアワーやラスト15分なんて今の技術力をもってすればCGでいくらでもできたはずです。
この映画の"夢と現実の共存"がここにも反映しているのですね。





かくいう僕も夢追い人。
この映画に刺激を受け、僕の中で何かが変わりました。
過去に夢を追い、成功した人、挫折した人はおろか、現在進行形で追っている僕みたいな人には心に響いたのではないでしょうか。
また、まだ夢を見つけていない人にも与えることができるのではないでしょうか。
「あー面白かった」で終わらせない傑作がまた誕生しました。

よくよく考えてみれば、前作セッションも形は違えど" パフォーマーに成る夢を追う者"と"ジャズの復活を夢見る者"の話でしたね。
チャーリーパーカーの話が出たり、演奏中のカメラワークは編集とどこまでもチャゼル監督らしい作品です。
まだ若い彼がこれからどんな作品を作るのか、映画界にどんな影響を与えていくのか非常に楽しみです。

では。
追記があるのでもう少しご辛抱を!!!!



P.S.
ちなみにエマストーン自身も15の時に女優の夢を追うためにロスへ引っ越してきました。
(両親はパワーポイントでプレゼンを作って説得したそうですw)
まさにミアそのものですね。

ちなみにちなみに撮影中エマの犬が逃げ出してしまってチャゼル監督とゴズ兄で追いかけ回った問いうほのぼのエピソードがあります笑

ちなみにちなみにちなみにエマは撮影中、チャゼル監督と「 このセリフはダダっダダッダッって感じでお願い」「…えっと、言葉で?」「もちろん」という会話をしたそうですw
(その後エマは「 だから私は『Am I rushing or dragging?(早すぎる?遅すぎる?)』って感じだったわ笑」とお茶目にセッションのセリフを引用してましたw)











追記
最後にララランドを見てから3ヶ月経った今、日本で字幕版ララランドを劇場で見てきました。
初めて字幕を見たのでセリフと照らし合わせて見ていたのですが、なかなか意訳が多くてクリアな状態で訳されていないな、と感じました。
カナダでは爆笑を取っていたところもその字幕のせいで笑いどころではなくなっていました。 なんか残念です…
とにかく、6回目だというのにもかかわらずまた新しい発見があったので追記を載せたいと思います。
今回気づいた点は小さいのも入れて5箇所
グレッグ
夢シークエンスのセット
Start A Fire演奏時の撮影方法
夢シークエンスでのセブ
セブとミアの成長
です。


グレッグ
グレッグとはミアがセブと会った時に付き合っていた元彼ですね。
ツイッターで誰かが「あんな感じで彼を振るなんて性格悪い!」みたいなことを言っている人を見かけましたが、本当にそうでしょうか?
お兄さん(?)との会食の時、グレッグは一度もミアを会話に入れてあげようとしません。それどころか、一度も彼女の方を見てもいませんでした
彼氏ならもっと彼女が話に入れる話題にすると彼女の話をするとかもう少し気を使ってあげてもいいんじゃないでしょうか?
そんな彼女をほったらかしにする彼氏振られて当然です!笑

z21090300ICR,La-La-Land

夢シークエンスのセット
ずっと気になっていたのですが、最後のシークエンスの時にセットが全て手作りで作り物感が半端ないじゃないですか。
まあ逆にそれが味を出しているのですが、ただ味が出るからというだけでそうしたとは思えませんでした。
本記事でも言っていたようにこの映画のテーマは”夢のような現実”です
もちろんあのシークエンスは2人が見ていた夢ですから実際には起きていません。
だからセットは全て作り物で↓ここでもライトと反射でプラネタリウムの時の宇宙に浮かんでる感じを表現しているのです。 mia-and-sebastian-black-and-white



Start A Fire演奏時の撮影方法
セッションの時からチャゼル監督の演奏シーンの撮影方法は独特で面白いと思っていましたが、なぜこんなに他から抜きん出ているのかまではわかりませんでした。
今日6回目でカメラワークと編集に注目してみたところわかった気がします。
本来アクションや歌のシーンでは客を躍動感を出すためにカメラを動かすものです。
glee/グリー(2009-2015)がいい例ですが大体は歌手を中心として右や左に回るものですが、チャゼル監督の演奏シーンでは代わりに対象にグーンと近づくDolly-Inが多用されています。
そして、そうでない時はむしろ固定カメラで撮ったショットをリズムに合わせて速いテンポで切りかえる編集を使っています。
これによって、躍動感を失わずにオリジナリティーを出しているのです。
次に見る機会があったら注目してみてください。


夢シークエンスでのセブ
過去5回の鑑賞では夢シークエンスでのセブは夢破れてミアといることを選んだと思っていました。
しかし、今回の鑑賞で考えが変わりました: あの夢の中ではミアの夢もセブの夢も叶っていると思います。
上で書いた通り、セブは過去にこだわっていました。
それがミアと出会ったことで変わり、結局別の場所で別の名前で店を出すことにします。 なので最早ロサンゼルスにこだわる意味もないのです。 Seb'sでもセブ自身バーで演奏していますし、夢シークエンスでも自分のバーで演奏していると捉えるべきだと思います。
確かに何度考えてもあそこでセブが夢破れている必要はなかったんですよw
全てが上手くいくからこそ夢で彼らにとってのベストは”二人の夢が叶い一緒にいること”なので。
あのシークエンスがミアの夢なのかセブの夢なのかみたいなツイートがありました。
ミアだけが夢を叶えていることからミアの夢だという声も聞きましたが、まずそれはないと思います。
ミアは一度セブが夢を諦めようとした時に引き止めているので、彼が夢を捨ててまで自分についてくることを夢見るとは思えません。
自身の夢を諦めていることからセブの夢とも言えません。
それに、照明暗転の時のスポットライトも二人共を照らしていることから二人の夢だとも言えますね。


セブとミアの成長
映画とは基本、物語を通して主人公の成長が描かれます。
この映画には二人主人公がいて二人共やはり成長しているのです。
ミアは周りを気にしすぎていました。
演技中に中断されて戸惑う、「もし人が(劇を)気に入ってくれなかったら?」、「(オーディションで)いつも邪魔が入ったり泣くシーンで笑われたり…」など自分のベストを尽くすより人のニーズに合わせたパフォーマンスをしていました。
それが「Fuck'em(ほっとけ)」が口癖のセブに出会い、オーディションで面接官が見えなくなるくらいゾーンに入っていましたね。
どんな時でも自分を愛してくれていたセブがミア自身の価値自分の力を信じることを教えてくれたのだと思います。
それが彼女の成長です。
反対にセブは全く周りを気にしない自己中でした。
レストランでのBGMを担当する仕事なのにフリージャズを提供してしまったり、過去にすがりつき、自己満足のバーを開こうとしたり、無理だとわかっているのにツアーにミアを同行させようとしたり。
そんな彼はミアと出会って変わり、ジャズの未来を考えたみんなのためのバーを開きます。
セブはミアという初めて夢中になれる人と一緒にいて、人を気遣うことを覚えたのでしょう。
これが彼の成長です。
「People love what people are passionate about(人は人が情熱的になるものを好きになる)」というようなセリフもあるように、二人が自分たちの夢にひたむきだったからこそお互いに感化されたのだと思います。


重要なメッセージ性も兼ね備えた歌とダンスのエンターテイメント作品で何回も観れる傑作。
ここまで考察が尽きないのも、賛否両論なのもこの作品の魅力の一つでしょう。
もし僕とは違う解釈を持っている方がいらしたら是非コメントお願いします!




ちなみに、「ミュージカル映画っていきなりみんなが歌い出すところがわからない」というアンチミュージカルがいますが、弁解させて欲しいです。 チャゼル監督もインタビューで語っているように劇中の歌は歌い出してしまうくらい高揚している気持ちを表しているのです。 映画にはとても多くのメタファーが存在しています。 僕も同じことを不思議に思う時期がありましたが、ミュージカル映画の歌/ダンスシーンもその一つということで僕は納得できました。 つまりは”幸せ”や”悲しい”などのキャラクターが抱えている感情を極端に表したものがミュージカルだということです。