どうも、Carlです。






The Feeling and Atmosphere
ムード


Previously, on The Lighting...(前回までは)

皆さんは映画のジャンルやスタイルによってムードが変わっているのにお気づきでしょうか?
ロマンチックコメディはホラー映画とは雰囲気が全然違いますね。
もちろん、色の配分をコントロールするカラーグレーディング(詳しい説明はまた別の記事で)も雰囲気作りに加担するのですが、以外と重要なのがこの照明です。
映画の最終段階であるカラーグレーディングでは色や光&影の具合は自在に操ることができますが、光の形や質まで変えることはできません

今回はどのような照明が我々にどういう感情をもたらすのか話していきましょう。
high-key-vs-low-key





Contrast (コントラスト)
前回でも説明した通り光と影のコントラストが照明の質にとって重要視されます。
そして、それはまた映像の雰囲気までをも変えてしまうのです。


Low-key Lighting(ローキーレイティング)
一言で言ってしまえば、暗いイメージ、つまり全体の割合に対して影が多くを占めている状態です。
一般的にキーライトはハードで影の境界線がはっきりと見えます。
光の当たってる部分と当たってない部分の落差は激しく、昔の白黒映画では影の部分が全く見えてないことも珍しくありません。
このライティング方法は察しの通りダークで緊張感の高いイメージを与えます。
いい例になるのがフィルムノワールです。
異常とも言えるほど形のはっきりした影と全体的に暗い映像で犯罪の匂いをプンプンさせています。
まあそれなりの理由があるのならコメディやロマンスでも使えないことはないですがあまり一般的ではなく、やはり観客はシリアスなものを期待せざるを得ないかと。


High-key Lighting(ハイキーライティング)
Low(低い)の反対High(高い)だからもうお分かりですね?
そう、全体的に明るいイメージの映像です。
不自然にならない程度に影は少なく、さらに影があってもさほど濃くはありません。
イメージ全体にまんべんなく光が行き届くように、そして力強い印象を与えないようにメインの高原はソフトライトです。
主にコメディやミュージカルなどハッピーな映画に使われています。

想像してみてください。
たったこれだけの違いなのに同じ映画の印象がだいぶ変わってしまいます。
もしもトイストーリー(1995)がローキーだったらだいぶホラーですよね笑




照明の位置もムードを変えてしまいます。


人間の脳は普段見ているものに慣れてしまいますから、太陽や月、天井照明と上からの光、下に伸びる影に慣れてしまっています。
つまり、下からのライティングには違和感、不快感を感じるのです。
子供の頃(もしくは大人の今も)暗闇で懐中電灯を顎の下に当てて友達を怖がらせたことはありませんか?
なぜあれがそんなに不気味なのか、それは普段私たちの生活の中であんなライティングを目にすることがないからです。
(あと直接の懐中電灯の光はハードライトなので影のコントラストが高いっていうのもありますが)
そして、もちろんこのテクニックはホラー映画では定番。
さらにちょっと頭のおかしい人や違和感のある状況を演出するのに使われています。
blocking12



人間の目は上からのライティングに慣れていると言いましたが、暗闇でハードライトをキャラクターの真上から照らすとなんとも権力を感じる恐ろしいショットが出来上がります。
良い例でいうとゴッドファーザー(1972)のマーロンブランドーですかね。
真上からの照明が西洋人特有の深いホリのせいで目を影で覆ってしまっています。
心理学でも認められていますが、”目は口ほどにものを言う”なんて言いますから、この目の見えない状態は何を考えているのかわからず他のキャラクターは愚か我々観客にも圧力を与えてきます。
The-Godfather-Marlon-Brando-Laserdisc



さらに少しSFチックな、またはファンタジーな”不自然さ”を与えたいのなら四方八方からソフトライトで照らすのが良いでしょう。
フィルムノワールのように高いコントラストも違和感ですが、逆にこのソフトライトが与えるコントラストのないフラットな画もまた人間の目に違和感を与えます。
例えば、近未来の部屋や天国など現実世界でない場所にいる感じを作り出します。
high-key-lighting





最後の要素はです。
先ほども述べたように、今のテクノロジーでは撮影を終えてからいくらでも色は弄ることができますが、やはりベースがなければ下手なCGのように手を付け加えたことが明らかになってしまいます。

そして、これは照明の色であり、物の色ではないので雰囲気作りに重大な役割を果たします。


主な色は2種類あります
Warm(オレンジ): 柔らかな暖かいイメージを与える
Cool(ブルー): ハードで厳しいイメージを与える
(照明の色を変えるには、高い機材には色を変えられる機能を持つものもありますが、基本的にジェルというものを用いりますが、また大きなトピック入り口なのでまた別の記事で)

オレンジはそのままですが、実はブルーというのは青い光ではなくどちらかといえばに近いものです。
というのも、Kelvin(K)ケルビンの単位で表すことのできる色温度の段階があるからです。

オレンジはだいたい3200Kでブルーはだいたい5600Kとなります。
この
ケルビンが下がれば下がるほど色の濃い赤に変わっていき、上がれば上がるほど白に近づいていきます。
Kelvin-Chart-750x499

なんとこの二つの代表的なケルビンはみんながお天道様の作り出すものなのです。
昼間は5600Kで明け方や夕方には3200Kの光を放つと言われています。
そのため、我々の目にはとても自然に映るのがこの二つの色というわけです。
(どれだけ僕らが太陽中心に生活しているかわかりますね笑)
色の与える心理などはまた後ほど色だけをトピックとした記事を書きたいと思います。




どのムードを作り出そうと自由!
(もしもあなたが監督か撮影監督ならば)
しかし、やはり観客は無意識のうちに映画の雰囲気とジャンルを結びつけてしまっているのでそれを考慮して決断しなければただの手違いや下手だと認識されてしまいます。

では。







P.S.
すべての映画が白黒だった昔はこの照明のコントラストがとても重要になっていました。今でも照明を学びたければ白黒で練習しろ、と言われるほどです。